奇特な世界へようこそ~僕の思考回路~

僕ことURAKIが綴る目眩く思考・嗜好・そして志向の世界へようこそ。貴方にニッチな体験と出会いをお届けする そんな雑記をご賞味下さいm(_ _)m

何を得て何を失うのか ~FFⅡに視た僕なりの成長論~ 

 突然ですが、皆さんFFと聞いて何を思い浮かべるでしょう? ファーストフード? ファイアフォックス?*1 車好きな方ならばフロントエンジン・フロントドライブ? はたまた最近ならTwitter用語(FF外から~)などでしょうか

 まあ世の中様々なFFが存在するわけですが、やっぱり僕らの世代*2ファイナルファンタジーシリーズでしょう。 ご存じドラクエと並び日本を代表するRPGシリーズです。

今でこそ両作品ともスクウェア・エニックス*3ですが、かつてはライバル会社同士、その人気を競い合っていた作品です。

 僕はよく、ドラクエの話ばかり記事にしますので、FFやらないドラクエ派なんだと思われている読者の方もいらっしゃるでしょう。

 確かに最近はもっぱらドラクエですが、かつてはFFも同程度に愛玩していたものです。

 正確にはSFCのⅥまでは、しっかりとやり込みました。ⅦでFF離れを起こした理由については、またの機会に語るとしまして・・・

本題に入ります。

 

 このFFの二作目であるファイナルファンタジーⅡは、シリーズでも異色といわれています。帝国に支配された世界で、陥落した王国の若者たちがレジスタンスを興し立ち向かうというストーリーは、現在では然程珍しくもないように感じるでしょうが、 とりあえず英雄が世界を救う的な短絡的シナリオが未だ主流だった時代においては、やはり異様な存在感を放っていたように思います。オープニング早々、帝国兵に追われ逃げながらの戦闘シーン(しかも全滅させられる)から始まるのに衝撃を受けたものです。

 しかし、そのストーリーも然ることながら、最も当時注目を集めたのは、その独自の成長システムだったように思います。本作にはレベルという概念が存在しないのです。

 これもまぁ今では当たり前のように見受けられることですが当時としては、度胆を抜かれたわけですよ。同じく独特な成長システムでお馴染みのSa・Gaシリーズの第一作である魔界塔士Sa・Gaに先駆けて*4、この取組みですからね。そのSa・GaもGBだった*5わけで、おそらくFCソフトとしては先述のストーリーも相まって、或る意味完全無比のアウトロー的作品だったといえるのではないでしょうか。

 そんなFFⅡの成長システムとは果たしてどんなものなのかを少し解説したいとおもいます*6が・・・ 正味マニアックな内容につき読み飛ばしたい方はスルーしてください。 概要が分かる程度にさらりと流し読みしてくださいm(__)m(とくにMPについて)

 

 

HPについて

 HPはご存じの通り耐久力です。RPGでは定番のステータスですね。これが尽きると戦闘不能*7となり、パーティー全員のHPが尽きるとゲームオーバーとなるのが基本なので最も重要なステータスといえます。今作ではこれが戦闘中の被ダメ(ダメージを受ける事)により、上昇するのです。つまり殴られれば殴られるほどに強くなっていくのです。回復などしてはいけません。とにかく戦闘終了後の残HPが戦闘開始時のそれとどれだけ差があるかで上昇値が判定されるのですから

 喰らっても我慢!ひたすら回復せず、相手を倒すことで高まる自らの生命力・・・

MPについて

 これは主に魔法を行使するために必要な力ですね。よくマジックポイントといわれますが、ライバルであるドラクエの公式ガイド*8のステータス説明欄の記載によると、どうやらパワーが正しいようです。但しもう前者が浸透しすぎているため、存在感ないですが・・・

 で、このMPもご察しのとおり減れば減るほどに最大値は増強されていくわけです。ただし、HPと違って基本MPは被ダメすることがない*9ため、どうするというとひたすら無駄に魔法を放ち続けるわけです。必要ないのにケアル!*10 あぁこれだとHP回復してしまう(;´・ω・) ってことでカーズとかスリプルなんて低レベルじゃ まず効果ないような魔法を無駄打ちしてMP減らすんですよ・・・初心者は! 

でもこれ効率は果てしなく悪いんです。本作では魔法個別にレベルが存在していまして・・・おいおいレベルシステムはないって話なのにそんなところにはレベル存在するのかよ

という突っ込みは、この際なしでお願いしますm(__)m

 この魔法レベルに応じて威力や効果確率が上昇していくわけですが、消費MPもなんとこのレベル数に対応しているのです。つまりファイアであろうがフレアであろうが、魔法レベル1ならば、1発の詠唱につきたった1しか消費しないわけです。しかも、最大レベルはなんと16 つまり最大でも1回で16しか消費が叶わないのです。どれだけ非効率かがお分かりいただけたでしょうか?

 でもね、ちょっと慣れてくると気づいちゃうんですよね アスピルの存在に

 この、対象にした相手のMPを奪うことができるという効果を利用して味方にアスピルをかけてMPを奪ってやるわけです。確実ですからね 低レベルでも一度に2桁は吸えますからね さらに上を行くアンチ*11という反則級な業もあり・・・

仲間に奪われることで、増強していく魔法の力・・・

 

ちから・すばやさ・せいしん・ちせい・たいりょく・まりょく

力・素早さ・精神・知性・体力・魔力のことです。え?なんで平仮名なのかって? そりゃファミコンですから! 漢字表記なわけがありませんからね。当然平仮名なんです。まともにFCソフトで漢字使ってるテロップ観たのは多分、ウルトラマン倶楽部2*12だったと思います。あれで1990年ですからねぇ そんな時代です。

 閑話休題 さて、これらのステータスですがこれは素直に 打撃を繰り返せば力があがり、敵のターゲットになれば素早さがあがる(回避行動をとる故?)といった具合で成長していきます。知性というのは黒魔法(主に攻撃系統術)を行使すると上昇、精神は白魔法(回復治癒系統)で上昇します。これらとは別に、回避率や魔法防御といった成長要素も要素もあるのですが、少々長くなりましたので割愛させていただきますm(__)m

さて、問題は、これらのステータスもHPやMP同様 タダではないという点です。

例えば、黒魔法を使いつづけ知性を上げすぎると、体力の値がダウンしてしまいます。

白魔法で精神をあげつづけていれば、そのうち力が下がったりします。

逆に打撃による白兵戦ばかり繰り返していると今度は知性がさがることがあるのです。

このように、上下の関係性組み合わせが完全一致ではない(知性↑体力↓だが知性↓↑)ですが、ともかく何かが成長すれば、何かを失うということになるのだということが分かります。

 

 さてさて、これらの本作独自の成長システムを体感しながら、僕は考えたわけです。

確かに従来のRPGのそれとはかけ離れていて独創的に見えるけれども、これって実は

現実世界の成長も同じなんじゃないか

 現実世界でも、何か(能力)を手に入れるためには何かを失っているのではないかと、こう考えたのです。

 例えば、社会人になり会社組織に雇用された場合、その組織の中で活躍し、早く出世するためにはそれだけ仕事に打ち込まねばなりません。その場合、一日の大半を会社のこと、仕事のことを考えて生活する日々を積むことになるでしょう。中にはそんなことしなくてもスマートに仕事をこなせる天才もいるかもしれませんが、大抵の人間は「努力」とはそういう(必死に日々取り組む)だと考えているわけですから、必然的に日常が仕事のことで溢れてくるわけです。そうやって、日々を過ごし地位や名誉を手に入れた時、失っているもの それは例えば、昔好きだった趣味に時間を費やせなかったことであったり、友人や家族との大切な時間であったり、長期で旅行を楽しむことだったり そうした様々な機会を犠牲にして勝ち得たモノだということ

勿論それが良い悪いではなく、何かを手に入れるにはやはり代償が必要なんだということ そして、その犠牲の上に成り立った成果を人は成長と呼ぶわけです。

 ですから逆に、会社ではなく家庭プライベート重視のため、万年平社員という人間であっても、会社での出世や昇格を犠牲にしてつぎ込んだ自身の趣味が、その世界で評価されたならば、それもやはり、プライベートを費やした成長といえるわけで

 どんな立場にいようが、人は自分が歩んできた結果を軌跡として認識したい。だからいろいろなものを犠牲にしてきたとしてもそれを踏まえて成長と言いたいのではないでしょうか。

 そう考えると成長という概念自体が、とても欺瞞的にすら思えてくるのです。

実際、身体の成長というのはもう成人すれば止まるどころかあとは退化を辿る一方なわけです。時間という操れないモノを費やして人生の終わりへと向かっていく過程で、何かしら自分の頑張った軌跡を証として残したい。そんな人間の自己愛的心理が働いている、それが成長という概念なのではないかなと 僕はこのゲームを通して感じたのでした。

 しかし、よく出来ていますよね。何一つ犠牲を払わない成長を描いたRPGのレベルアップシステムからは視えてこなかったわけですから

 

ファイナルファンタジーII

ファイナルファンタジーII

 

 

 ま、ただそんな作品でも只ひとつ時間だけは消費しているわけですが・・・

時間は誰にも操れないということで   今回はこれにてm(__)m

*1:Firefox インターネットブラウザの1つ

*2:まあ30代~40前半?所謂ゲーム世代

*3:ドラクエのエニックスとFFのスクウェアが2002年に合併。

*4:FFⅡは1987年 Sa・Gaは1989年発売 同じくレベル概念がない成長システム採用

*5:独自の成長システムだけでなくGB初のRPGとしても有名

*6:基本的にはFCオリジナル版の内容になります。後発リメイクも多い本作ですが、他にはWSC版くらいしかプレイしておりませんので悪しからず

*7:厳密には当時のRPGではHP0=死亡扱いが主流だった。これはFFⅡも然り。戦闘不能への言い換えはFFⅣから

*8:『ドラゴンクエスト公式ガイドブック』1988年 エニックス

*9:中にはMPに直接ダメージを与えてくる奇特な敵も存在し、それを利用する手もある。

*10:回復魔法。ご存じFFといえばコレ

*11:MPにダメージを与える白魔法

*12:ウルトラマン倶楽部2~帰ってきたウルトラマン倶楽部~ 1作目がディスクシステムだったため、これで初めて本シリーズを知った人も多いはず。僕もその一人 ちなみに新マンが主役というわけではない。タイトルに騙されてはいけない好例。