以前の記事でもちらりと触れましたが、どうやら僕は昔から人に影響を与える性質を持っているようでして、、、※1
最近、また一人、僕の影響でガンダムにどっぷり浸かっている知人女性がいるのですが、そんな彼女が今、観ているのがシリーズ二作目、僕も敬愛する「機動戦士Zガンダム」
レンタルでは飽き足らずDVDBOXを購入してまでじっくり鑑賞するという徹底ぶりに
恐縮なのですが、、連日のように各エピソードの感想などを伝えてくれます。
そこで思ったことのひとつが、やはり視点は人それぞれだなあということ
このZガンダムという作品には、様々な魅力ある女性キャラが登場します。
彼女は、その中で「マウアー・ファラオ」というキャラクターがお気に入りなのだそうです。
このマウアーというキャラは物語中盤に登場するのですが、※2
愛した女はことごとくカミーユによって葬られる運命
の男、ジェリド・メサ君の恋人?として描かれます。ライラ※3 を失って傷心のジェリドにとってマウアーは絶対に失いたくない女性だったでしょう。
しかし正直、無鉄砲で世間知らず、ティターンズという組織の真意すら解せぬ若造に
なぜ惹かれるのか それは、やはり母性本能を擽られるからなのかもしれません。
実際、ジェリドの「運命の相方」はこう姉御肌的なキャラになるのか、ライラほどではないにせよ、マウアーも(多分)そんな一人? それとも献身的なだけでしょうか
結局 そんな彼女も御多分に漏れず、第30話※4 にて奇襲作戦中に、カミーユの駆るZガンダムの攻撃からジェリドを庇って戦死を遂げるのです。
「守ってみせるっていったろ・・・ジェリド?」
これが、彼女の最後の言葉になるのですが、白眉はこの台詞に至るまでに、しっかりと
付箋が張られているということ。
この回、出撃前のシーンでは
「ジェリド、覚えておいてね。あなたの後ろにはいつも私がいるって」
と、意味深な言葉をジェリドに囁きかけます。
また、それ以前のエピソード(回)でも、感情的になりやすいジェリドを気遣ったり、
逆に厳しくも励ましたりと、終始、彼のことを気に掛けているのが随所で、よく描かれているのです。
こう今ざっくりと書いてみて、中々に胸熱くさせるエピソード要素の持ち主だったと感じるわけですが、今までは、どうも他要素に注目しがちで、「これがこの作品の魅力だ」と語るときになかなか思いの上に優先的に浮かんでこなかった部分でした。(勿論、名場面なのは既知でしたが)
そういう意味で、この知人のおかげで、改めてZの素晴らしい魅力を再認識したのでした。
閑話休題
さて、本日はそろそろクライマックス鑑賞中だろうなぁと、意気な感想を楽しみにしていたところ 本日届いたLINEのメッセージは
キュベレイ※5が思ってたよりカッコよくない・・・
「は??」
エゥーゴ、ティターンズ、そしてアクシズ、三陣営それぞれの思惑入り乱れ、盛り上がる最終局面 さぞ興味深い感想が聞けるのだろうと意気込んで待っていた矢先に これですよ。。。 まさに異次元
前回のマウアーへの思いはなんだったんだと思わせる珍回答ぶりにふらつきながらも
「なんで いまそこが気になったんだい?」
「え、だって・・・前見せてもらったプラモデルのイメージと違いすぎたから・・・」
なるほど。たしかにそうなのです。当初、シリーズ1作目「機動戦士ガンダム」を一通り見終えた彼女に、次観るべき作品候補として、一年戦争後期のサイドストーリーであり、シリーズ屈指の感動作(泣ける!)※6「機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争」、それからこのZガンダムを挙げて、先に関連画像などを交え説明していたのです。結局、後者を先に観ることとなったのわけですが、その決め手がシャアが主役級で再び=クワトロ大尉という存在 それからMSのカッコよさがあったようなのです。
そのときに見せたのが僕の作ったプラモデルのキュベレイだったのです。
キュベレイというMSのあの独特なデザインを二次元で格好良く描くというのは、実はなかなかに難しいことなのだと思います。(あくまで持論ですが)
とくにTVシリーズですし、制作時間の問題やクオリティーでいえばOVAや劇場版のようにはいきません。
そこへ来て、このプラモデルなのですが、最近のガンプラ※7 というのは「立体化に際して新たにデザインを書き起こしている」のでオリジナルである劇中デザインとは 異なって然りなのです。むしろ、現行ガンプラが「現在の視点で視てのオーソドックスなカッコよさ(とバランス等)」を追求した作りになっているわけです。それを先に視てしまったわけですから、彼女が感じた「違和感」は当然だったわけですね。
後半数話、この後もどんな「感想」が聞けることやら・・・・
ところで、このように「最初の印象に過度に期待して」モノを買ったり選んだりすることを「ジャケ買い」などと言うのは皆さん大方ご存じでしょう。
今回の件で、不図この「ジャケ買い」が頭に浮かんだのです。
ジャケ買いする場合というのは、概ねその作品の内容をよく知らない、または全く知らない場合になるかと思います。
もしその作品をよく知っていたり大好きなのであれば、ジャケットの良し悪しが購入の決定打とはならないんじゃないかなと それは既に魅力を知っているからであり勿論、・・・ジャケットが良いに越したことはないですが
つまり、ジャケットは未知なる人に瞬時に魅力を伝える大事なアイコンなのです。
その点でやはり、往々にしてジャケット画は気合いを入れて描かれたりします。
それは当然ながら、作品の本編よりクオリティーが高いものになりますから当然、その魅力に人は惹きつけられるのでしょう。
このように「ジャケットだけを頼りに」選んでしまった場合、蓋を開けてみて、時として後悔の念を抱くことになるのは、これも上記の理由から当然の理なのです。
但し、もし貴方がジャケ買いをして、そんな後悔の念に苛まれそうになったとき
今一度、考えて欲しいのです。
そもそも、ジャケ画なんか存在しなくても純粋にそれを「好き」なファンがいるということ
ここで言っているジャケットとは例えば漫画なら単行本、アニメならDVDやBlu-rayなどのメディアの表画のこと
ですから、その元となったTV放送やコミック誌を通しての「端からファン」にとってそんなものはなくても十分魅力的なのです。
貴方がその作品と出会ったのは確かに「ジャケ画」がきっかけかもしれませんが、
そのことで、その作品に触れることになったことで、「作品を考える」機会を得たわけです。
もしあの素晴らしいジャケットがなければスルーしていたかも知れず、もしかしたら一生手にすることもなかったかもしれない作品。それを手にしているのですから、この機を逃す手はないと思うのです。
というわけで、是非ジャケ買いの際にはこれを思い出していただけたらなぁと思う次第です。
PS
ジャケ画で表現されている「美化された世界」は、制作サイドの願望かもしれません。 しっかり作品の世界に浸ることができたなら、貴方にもきっと願望の世界が視えてくる・・・かどうかは神のみぞ知るということで・・・
※1 過去記事 役に立つとか立たないとか 参照
※2 初登場は第12話「ジャブローの風」
ジャブロー脱出時にジェリドを助けてから、彼とコンビを組み活動することに 個人的にはもうRX-110ガブスレイの人ってイメージだったわけだが。。改めて好いキャラだなぁ
※3 ライラ・ミラ・ライラ
序盤に登場する「地球連邦軍」所属の大尉 ティターンズに反感を持っている人物として描かれる。彼女の発言を通してティターンズ=悪だと朧に認識したのは懐かしい思い出。ジェリドの・・復讐劇は彼女を失ったことから始まった・・
※4 第30話その名もズバリ 「ジェリド特攻」
そういえば、昔 中学の図書館にこいつを主役にしたゲームブックが置いてあったのを思い出したので調べたらば、、、
機動戦士Zガンダム ジェリド出撃命令 (アドベンチャーヒーローブックス)
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出てきました。さすがAmazon こちら「ジェリド出撃命令」是非是非
※5 AMX-004 アクシズの指揮者であるハマーンの愛機。その独特で美しさを感じさせるデザインから今なお人気の高いMS。Z本編での初登場は第43話「ハマーンの嘲笑」だが、お披露目のみで実戦が観れるのは第46話「シロッコ立つ」までお預け
尚、後番組であり直接の続編である「機動戦士ガンダムZZ」でもラスボスとして最終話のみ出撃あり。人気物の割に出番は少ない。
トップ画での僕作はこちらのキット
HGUC1/144
HGUC 195 機動戦士Zガンダム キュベレイ 1/144スケール 色分け済みプラモデル
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※6 シリーズ初のOVA作品 兎に角泣ける。下手な「全米が泣いた!!」映画より確実に(あくまで個人の感想) 嘘だといってよ バーニィ
このように?内容もとっても素晴らしいのだが、個人的には前年の「逆襲のシャア」に続いてメカデザインに出渕裕氏を起用している所がツボだったり
もうハイゴッグのカッコよさは萌えですねぇ 装甲に渕穴を開けるのは改造苦手なモデラーの定番お手軽改造だったような
※7 HG(UC)シリーズから1/100のMG 1/60でのPG またRG RE/100 等
現在のガンプラには様々な「ブランド」が用意されていて、とくにZなど、ブランド展開以前の作品に於いて、番組放映当時に発売したキット(便宜上、旧キット等と呼称される)とでは、そのコンセプトデザインが違う。まあリメイクということで当たり前といえるかもしれないが このあたりの話はなかなか深いのでまたの機会に別途記事にできたらと