「性癖」と聞いて、皆さんは何を想像したでしょう。
もし、「露出癖」「窃視癖」といった、所謂 セクシャルな意味でのフェチズムだけを思い浮かべたのならば、それは理解が足りていません。
性(さが)とは人間の持って生まれた性質を意味します。
GB※1の名作RPG魔界塔士Sa・Ga ※2のラスボスである神の言うところの「いきもののサガ」※ 3なのです。
そして、「性癖」とは、そんな人間の心理、行動に視られる性質の偏り(癖)や嗜好のことを指します。
それが、この言葉の持つ本来の意味なのです。
ですから「虚言癖」、「妄想癖」「収集癖」それから「潔癖」なども「性癖」といえるわけです。
しかしながら、実際には冒頭に述べたようにセクシャルな意味合いで用いると思い込んでいる方も多いでしょう。
「性」を「性質」として捉えるのではなく「性別」と捉えがちなのは、文化の変遷によるものかもしれませんが、何にせよ このように本来の意味合いを「認識せず」 普段何気なく使っている言葉
実は他にも気付かないだけで、案外転がっているのです。
「勝ち組」そして「負け組」という言葉があります。
この言葉も、先述の「性癖」と同じく、おそらく
大多数の方が、「本来の意味合いを知らずに多用している」言葉の一つでしょう。
そもそも この言葉が公に使われたのは第二次大戦で日本が終戦を迎えた1945年に遡ります。
当時、日本からブラジルに移住した移民がたくさんいました。地球の裏側である日本で起こった出来事を知るには勿論、伝わってくるニュースしかありません。直接「自身の眼」で確かめるなど到底無理ですから、無論、この時も日本が「敗戦した」という「情報」を受け取った時点で、それを「信じて受け入れよう」という考えと「いや、まさか日本が負けるわけがない、俺は信じないぞ」と主張する 二派に分かれたブラジル移民たちの間で 議論が展開されたのです。
その様子を日本のメディアが報道する際に用いたのが、この「勝ち組」「負け組」だったのです。
「負けたと言う事実を受け入れる」即ち
「事実をありのままに受け入れる」ことを
「負け組」
「負けを認めず勝ちを信じる」即ち
「事実を受け入れない」ことを
「勝ち組」と表現したのです。
いまでは当たり前のように文字通り「勝ち」「負け」の意味で使用していますが オリジナルとは随分かけ離れているのに、驚きさえ覚えませんか?
そして、何と意味深いこと 堪りません
尚、この件は辞書にも載っている内容なので
今でも、この元来の意味で使われていてもいいようなものですが、何故 いまの譜面通りの味気ない意味にすり替わり蔓延したのでしょう。
はっきりしたことはわかりませんし、諸説あるでしょうが、現代ではよく見掛ける例えば学習塾のキャッチコピーや広告で「君は人生の勝ち組に~」とか「負け組からの~」などという文句が多用されていることから考えればメディアの影響力もあるのでしょう。
しかし、ここで思うわけです。
こうしたキャッチコピーを(最初に)考えた人間というのは、恐らく、オリジナルの意味を知っていた。
その上で「敢えて」それを、この時代(競争社会)に擦り合わせる形で 字面どおりのシンプルな意味合いにアレンジさせたと考えた場合、そこには
やはり「本質を知ってる」からこその「遊び心」を感じてしまうのです。
「敢えて」それを使っている のと 「知らず知らず」漠然と使っている この違いは、表面上では分かりにくかもしれません。
しかし、そこには確実に「知識」として雲泥の差があると感じるのです。
「知らない」こと つまり「理解していない」ことからは、恐らく何も生まれません。
しかし、「知っていれば」こそ、こうした閃きや新たな発想に繫がるのだということ
そこが、「敢えてそれを使う」と「無知」との超えられない壁なんだろうなと
僕は、日々そんなことを考えていたりします。
やはりアイディアは「知識」がなければ始まらないんじゃないかなと
皆さんも言葉の意味やルーツを調べてみては如何でしょうか。何か閃く糧になるかもしれません。
それではまた次回
※1 GAMEBOY 元祖携帯ゲーム機といえばコレというくらいの存在。
乾電池四本使用でコスパが大変だったのは良い?思い出
※2 GAMEBOY初のRPG レベルによる成長概念がなく武器に使用回数が設けられている等、とにかく異色だった。ストーリーも独特で〇 全ては神の遊びだったとは、、
※3 神の戦闘前の台詞の一コマ やたら長い台詞の尺(あくまで小学生視点)が強烈でした。
いざ戦闘では何と、市販品のチェンソーで一撃昇天
、、は言わないお約束
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ちなみにGAMEBOY用カートリッジ(ソフト)はGAMEBOYアドバンスでも動作します。